サルガッソーって何?
本ブログのタイトルにもある「サルガッソー」について語りたいと思う。
薄っぺらなSF知識に基づいた駄文であるが、興味のある方は続きをどうぞ。
海としてのサルガッソー
子供の頃に観た大長編ドラえもんの記憶が今も鮮明に残っているのは、
その面白さよりもむしろ恐怖表現のインパクトが原因だと思う。
「日本誕生」('89)の神隠し、「パラレル西遊記」('88)の歴史改変、
「ブリキの迷宮」('93)の絶望感などなど、枚挙に遑がない。
そんな中で最も印象に残っているのは、「海底鬼岩城」('83)である。
幽霊船の骸骨船長やグロテスクな深海生物、アトランティスの機械兵といった
視覚的な恐怖は言うまでもない。この映画で一番心臓に悪かったのは、
「逃げ場のない深海で、テキオートーが24時間しか効かない!」
という精神的圧迫感であろう*1。
映画の舞台は、かの有名なバミューダトライアングルである。
フロリダ半島の先端とプエルトリコ、そしてバミューダ諸島を結ぶ地域は、
飛行機や船舶の遭難事故が多発している*2ことから「魔の三角海域」と呼ばれている*3。
この地域に存在するのが、近世以降「魔の海」として恐れられるサルガッソー海である。風向きや海流の関係で、この海域に一度入ってしまうと脱出が非常に難しくなるため、
当時の船乗り達から忌避されてきた。
ブラックホールとしてのサルガッソー
こうした背景から、多くのSF作品において、サルガッソーはブラックホールの同義語として扱われている*4。
宇宙戦艦ヤマト2に出てきたサルガッソーも、移動性ブラックホールである。
宇宙戦艦ヤマトにおけるサルガッソー
サルガッソーだ。
— 島さん (@d_shima_bot) 2013年5月21日
サルガッソーが登場するのはTV版宇宙戦艦ヤマト2の第8話「宇宙気流!脱出不可能」である。
忙しい人のための「宇宙気流!脱出不可能」
どうでもいい考察
作中においてサルガッソー内部では時間が異常に早く進むとの説明があった。
これにより衣服が腐食し、森雪*5が露わになった肌を隠す場面があった*6。
ふぅ、やれやれ。
・・・ん?
なんでブラックホールであるサルガッソー内部で時間が早く進むんだ?
ブラックホール内部に落下する物体を外部から観測した場合、落下物の落下速度はどんどん低下し、やがて静止したように見える。これは、ブラックホールの内部では超重力により時間が無限に引き延ばされるからである。
つまり、地球に残った土方司令がサルガッソーに飲み込まれるヤマトを観測した場合、ヤマトが事象の地平面に到達するまでに無限の時間がかかる(静止したように見える)。一方、サルガッソーに飲み込まれたヤマトは有限の時間で事象の地平面に到達する。この際、仮にヤマト乗組員がサルガッソー外部の世界(通常空間)を観測した場合、その時間の流れは事象の地平面に近づくにつれて速くなっていくだろう。そして、ヤマトが事象の地平面に到達し、通常空間に出た場合、無限の時間が経過していることを観測する。所謂「ウラシマ効果」というやつだ。
つまり、ヤマト乗組員は遅い時間の流れの中を生きたことになる。
まぁ門外漢の僕がいくら頭をひねったところで、この問題は解決しないだろう*7。
全ての原因をタキオン粒子*8のせいにして、この場は締めくくりたいと思う。
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